正法眼蔵がなければ死んでいた 私にとっての正法眼蔵 身心学道その五十六」

 岩波文庫134ページ「尽十方界是箇真実人体(じんじっぽうかいしんじつにんたい)なり、生死去来真実人体(しょうじこらいしんじつにんたい)なり。この身体をめぐらして、十悪をはなれ、八戒をたもち、三宝に帰依(きえ)して捨家出家する、真実の学道なり」

 この身体により大宇宙と一体となって行動する=仏教・仏道を学んでいくのであるから、この世界全体が真実の人体である。生きる死ぬ過去未来もこの身体を使って学び続けるのだから、真実の人体である。この身体を使いこなして、十悪を行わず、八つの戒律を守り、仏・法・僧という三宝を最上級のものとして尊重して、世俗の世界から脱け出す、これが真実の学道というものである。

 人間は大宇宙の中に生きている。坐禅することによって大宇宙の真理と一体となる。その時、身体と大宇宙が真に一体となったと言える。そのような身体を使って、普通に行動していくのだが、十悪を行ってはいけないし、八戒は守らなければならない。

 十悪、八戒が出てきた。詳しく知りたい方は調べてみてください。ただ、その内容は殺してはいけないとか嘘をついてはいけないとか、ごく当たり前のこと。坐禅してれば自然と守れると思っている。それに、もし悪いことをしてしまったとしても、「今この瞬間から気を付ける」とするならば、それでいいのだと私は思っている。正法眼蔵を読んでそう思っている。

 捨家出家については以前にも書いたけど、現在の社会の状況、宗教の状況から、いわゆる「出家」が最適なものなのか、可能なのか、私は疑問に思っている。私は捨家出家を今の社会の基準に囚われず、ましてや利得などには囚われず生きていくことだと自分なりに解釈している。

 緊急事態宣言が出るらしい。今回は飲食店に限定するとかいう話も聞く。なんだか飲食店が悪いみたいに見えるけど、利用する側の心がけが悪いのが駄目なんじゃないのかな?

 飲食店は当然あって良いわけで、結局、人間の行動が適切か否かが問題なんだと思うけど。それに本当に飲食店が原因なのかな?とも思う。感染拡大は防ぎようがないんじゃないかなとも思う。その場合、医療体制について、政府は厳しい判断を求められるだろう。真実人体としての政治家の力量が問われるんだろう。

 私は坐禅して、普通に大宇宙の真理に従って生きていこうと思う。