正法眼蔵がなければ死んでいた 私にとっての正法眼蔵 即心是仏その七

 岩波文庫141、142ページ「自他おなじく具足し、迷悟ともに通達せり。万法諸境ともかくもあれ、霊知は境とともならず、物とおなじからず、歴劫(りゃくごう)に常住なり。いま現在せる諸境も、霊知の所在によらば、真実といひぬべし」

 霊知は自他ともに等しく持っており、迷いにも悟りにも行き渡っている。森羅万象・環境はいろいろなものがあるが、霊知は環境に伴うものではなく、物と同じではなく、未来永劫常に変わることなく存在する。今現在の環境も、霊知があることに依っているならば真実と言ってよい。

 ここのところでは「霊知は未来永劫不変で存在し続ける」というところがポイントだと思う。繰り返すが、このような考え方は外道の考え方であって仏教の考え方ではない。

 大体霊知・霊魂が未来永劫不変で存在し続けるなんてことが、今この瞬間を生きることに何の関係があるのだろうか。

 今を坐禅しながら一生懸命生きればいい。そう信じている。