正法眼蔵がなければ死んでいた 正法眼蔵を手に取ってから その二

 岩波文庫の第一巻冒頭の辦道話をちょっと眺めた程度だが、坐禅しようと思った私は本屋に行った。坐禅のやり方が分からなかったからだ。

 私の職場の環境は厳しく、辛いことに変わりはなく正法眼蔵を読む時間も限られているし、坐禅のやり方が書いてある本もできるだけ薄いものでないと、とても読めない。そんな本があるだろうか?

 仏教書のコーナーの一角に坐禅に関する本が並べられていた。とにかく薄い本を探した。すると茶色の表紙の本当に薄い本があった。最初は本というよりパンフレットに見え、販売しているのではなく、無料で持っていけるように置かれているのかと思った。30ページほどしかなく「坐禅のやり方」(禅は旧字体)という書名。筆者は西嶋和夫(にしじまかずお)となっていた。発行は「金沢文庫」となっていた。価格は今改めて奥付を見ると670円+税となっている。

 筆者のことも、発行所も知らなかったが、とにかく「薄い」本だったので、購入した。

 とにかく、坐禅を始めたかった。だから、ざっと読んで11ページから書かれている「坐り方」を見ながら坐禅を始めることにした。